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転職・キャリア > 海外MBAをとるべきかどうか

2011/08/04

私が以前書いた「役にたつMBA役に立たないMBA」という本を読んでくださって、現役の若手公認会計士の方から連絡をいただきました。
  
お勤めの監査法人が早期退職を募集するにあたってそれに応募して会社を退社し、退職金の積み増し金も活用して海外MBAをとりに行くことを検討している20代後半(国立大卒)の方です。「海外MBAをとりに行くべきかどうか」に悩んでいらっしゃるとのこと。英語の習得を実現するのも目的の一つとのことでした。
 
以下が私の回答です。

監査法人の早期退職募集のニュースは、公認会計士という
専門家の将来のキャリアに影を落としているという見方もある反面、弁護士や公認会計士ももはや特権階級ではなく、世間一般と同様の競争社会に入っていることを示しているのだろうと思います。
 
そうした観点から言いますと、20代後半の若手の方が今後の自分のキャリアを能動的に切り拓いていこうと考える動きは自然であり、歓迎すべきことと思います。
 
その選択肢として海外MBAがベストであるのかかどうか、それはなんともいえません。日本を2年あまり離れるということ、金銭的な自己負担も大きいこと、帰国時に失業状態にあることなどを総合的に考慮したらいいと思います。帰国後の転職市場がどのような状況であるかについては、景気が今以上に深刻化する懸念もある以上、帰国後に転職活動に苦戦されることも想定されておく必要があります。(その際に必要な蓄えも、最低半年分は計算に入れておくといいと思います。)
 
一方で、20代後半という年齢はまだ若く、そうした思い切ったことをするにはラストチャンスという見方もあります。つまりここ数年の自己投資は、仮に思うような結果に至らず多少の後退からの再スタートをしたとしても、まだやり直しが十分きく年齢であり、リスクテイクするにはいい年齢でもあるかと思います。
 
英語習得の問題はあくまでも副産物と考えられるといいと思います。確かに海外生活は否応なく英語の勉強に向かわせますので、1年、2年の海外滞在が英語習得にプラスであることは否めませんが、上述したリスクテイクとのトレードオフとして英語習得は不十分な気がいたします。
 
英語習得は机上の勉強ではなく、あくまでも能動的にライフスタイルを変えることの中で実現できることであり、日本でもやる気になれば英語習得はできます。(皆、本当にやる気にならないため、日本人はいまでも英語が苦手です。)
 
MBAが転職に有利かというと、多分残念ながら、それほど有利には働かないと思います。海外生活、そしてまとまった時間勉学に励むことに価値があるかと言われれば、素晴らしい体験にはなると思います。海外MBAが機会となってキャリアアップできるか、給料アップできるかというと、それはおそらく短期的には実現できないと思います。
 
以上が私の意見ですが、人生にはリスクテイクが必要であり、ここぞというときに自分のオリジナルな人生航路に向かって帆を進める勇気と思い切りも必要です。それが海外MBAであるかというと、それは人それぞれの価値観で決めるべきことのように思います。
 
一つだけ注意して頂きたいのは、学歴が高い人ほど新たな見栄えのいい学歴を求める傾向があり、それがビジネスの現場で本当に実践的であるか、転職社会やサバイバル社会で学歴がどれほど有効であるのか、よく考えて見られるといいと思います。海外MBAは自己啓発的に能力向上の機会であることは経験者の皆さんが口をそろえるところです。
 
私自身は20代後半に大手総合商社を辞めて海外で一人で起業しました。若かった自分にとっては、MBAに代わる私なりの大きな挑戦でした。そうした自分の経験を踏まえていえば、今の若い方が冒険することには応援したい思いがあります。何も考えず、何もせずというのが一番よくないと思います。 

若いときから保守的な人は、年を取ってからが心配です。
お仕事、どうぞ頑張ってください。

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