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小松 俊明小松 俊明

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人材紹介の実情 > 人材紹介、間違った経営

ビッグビジネス

売上拡大のために「業務の効率化」と「大量生産」を目指した場合、プロセスの簡略化、時間短縮、コスト削減、そして長時間労働が求められるようになる。人材紹介で言えば、コストが安く長時間労働もいとわない新卒や若手に競争をたきつけ、単純労働を繰り返し、膨大な作業量を確保する経営が目立つ。作業はすべて数値管理をして、常に高いノルマで極限まで働かせる。たとえば候補者との面談数や求人案件の紹介数、そして企業への候補者提案数などを競わせるのだ。
この結果、人材紹介サービスの多くはサービスの質が高度化するというよりは、そのまったく反対で、サービスそのものに付加価値はなくなり、御用聞きの繰り返しと、数打ちゃ当たるといったナンバーゲームとなりさがったのだ。残念ながら、これが人材紹介業界の全体的なトレンドであったし、大手といわれる会社は例外なく効率化を重視した分業体制をしいて、規模の拡大に走った。つまり人材紹介会社自体が巨大なマッチングマシーンと化し、求人企業や転職志望者からは、サービスの悪さ、そして未熟さが指摘されるようになった。人材紹介ビジネスでビッグビジネスを志向した結果、サービスが陳腐化したのだ。未経験者や経験の浅いコンサルタントを並べて「採用のプロ」を標ぼうしていることは、求人企業や転職希望者からも評判が悪い。

高級イメージ

別世界もある。高級サービスのイメージつくりをするためにオフィスを一等地に構え、高い家具をそろえ、コンサルタントも皆、有名大学、そしてMBA取得者を並べ、コンサルタント自らも一流を気取る。(実際は一流企業出身で高学歴だが、元いた会社では出世できずに挫折した口である。)
そうした高級気どりのコンサルタントの多くは、高級エグゼクティブサーチという、一瞬見ばえがいい働き方を好み、見栄っ張りで人を肩書で判断する傾向が強い。要は鼻もちならない人種であるが、後発の人材紹介会社の中にも、こうした高級イメージを志向する会社も少なからずある。多様化の時代に、かなり時代錯誤な気もするが、他者比較で優越感に浸りたい人間が一定の割合で存在している以上、転職社会に高級イメージをもちこむ人材紹介会社があるのも、必要悪なのかもしれない。

人材紹介という転職支援サービスは、個人と向き合う手作りの仕事であり、ビジネスとして規模の拡大と業務プロセスの効率化を追い求めると、サービスの劣化につながる。転職は誰にとっても(エグゼクティブでなくたって)、人生の大きな転機であり、いいサービスに触れたいものだ。人材紹介を志す人はそのことを忘れないで、質の高い「プロの仕事」を目指したいものだ。心がけ次第では大きな社会貢献ができる仕事であるという志を持って、健全なプライドもはぐくみ、日々自己精進を怠らず、人材紹介の仕事にあたって欲しい。ビジネスとして売上をあげることの重要性は言うまでもないが、サービスを陳腐化するような行動は、ぜひとも慎んで欲しいと願う。 人材紹介会社の経営者は、間違った方向に会社運営をしてはならないのだ。

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