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小松 俊明小松 俊明

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転職市場を俯瞰する > 不景気の就活、吉とでるか凶と出るか

*今回のコラムは、現在就活中の全国の大学3年生に贈ります。(マイナビ千葉・茨城掲載より抜粋)

景気が悪くなり、企業はかつてないほど新卒採用を絞り込んでいます。こんなとき就活するなんて、ホント運が悪い!そう思っている学生さんはさぞかし多いことでしょう。一方、3年前、皆さんの先輩たちの中には好景気のあおりで楽に内定を連発し、第一志望の企業に就職した人たちがいました。ただそれから3年が経ち、多くの先輩たちは今、せっかく入った人気企業を続々と退職しています。この不景気の時期というのに、なんで?と思う方も多いでしょう。ただしこれが好景気に就活した学生にありがちなパターンなのです。理由はのちほど説明しましょう。

ここで少し私の話をします。1990年代初頭に大学を卒業した私は、まさにバブル組と後々、言われ続ける世代です。私のころ、人気があった業界は都市銀行でした。私の友人たちは、当時、住友銀行、三菱銀行、さくら銀行、東京銀行、三和銀行、日本興業銀行、日本長期信用銀行など、都市銀行や長信銀に就職したのです。バブルは、まさに金融業を無敵な存在として祭り上げていた時代です。皮肉なことに2009年の今、上にあげた銀行のどれ一つとして、原形をとどめている会社はありません。ご存じのとおり、のちに銀行間の合併が進み、組織文化や給与制度、そして評価制度までが二転三転しました。社員はそうした波に巻き込まれ、どうすることもできませんでした。まして銀行はこの10年間に不祥事が続きました。そして昨年の金融ショックです。安定を求め、無敵な都市銀行に就職したはずの私の当時の仲間たちは、全くその逆の運命に巻き込まれ、不安定な会社生活を続けてきたことになります。好景気どころかバブルに沸く時代に就職活動しても、その後の人生は、まったくわからないものなのです。

皆さんは、まさに「不景気の就活」をする運命にありました。不安も少なくないことでしょう。ただこのことが、皆さんの人生において、吉と出るか凶と出るか。私は、「吉」とでる可能性が高いように思います。
皆さんの先輩たちが3年前、好景気に就活したにもかかわらず、今、不景気の中、続々会社を退職して転職活動をしているという話をしました。「なぜ若者は3年で辞めるのか」が大人のビジネスマンの間で大議論となったことをご存じの方も多いのではないでしょうか。また第二新卒という言葉も生まれ、若者の転職活動も社会的にクローズアップされ、エンゼルバンクなんていう漫画もはやりました。

「不景気の就活」だからといって、今後の長い人生がジリ貧なわけではありません。まして不幸が約束されているわけもありません。どんなに楽な就活をしても、いつか必ず、自分の進路に真剣に悩み軌道修正することがあるものです。今、皆さんは大変だけど、周りに流されず、安定志向で小さくまとまるのでもなく、自暴自棄にもなってはいけません。「不景気の就活」のおかげで、自分の生きる道を一生懸命考えるいい機会が生まれていますから、ここでへこたれず、自分の道を切り拓いていきましょう。

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