上司やお客さんとの交渉、もしくは同僚との気軽な会話であっても、自分の意見が通らない場面は多くないだろうか。はっきりと相手から否定されれば、まだいい。(気分は悪いが。)その理由を聞ければなおいい。考えを練り直すなり、アプローチを変えるなり、すぐに対策をたてられるからだ。困るのは、自分はとりあえず伝えたいことは言ってみたが、相手は相槌をうって聞いているだけの場合である。実際のところ相手はどう思っているのか、自分の意見が受け入れられたのかどうか、はっきりと確認できない時である。
結果的に自分の意見が受け入れられていない状況を見れば、残念であるが、自分の意見が通らなかったことを確認できる。不安を抱えて過ごした時間が長ければ長いほど、意見が通らなかった結果を見たときに、大きくへこむものである。自分の意見が通らない理由について、もう少し客観的に原因を究明できないだろうか。
一般には、自己評価と他者評価のギャップが大きくなりがちな人は、意見が通らないことが多いに違いない。見通しが甘いのは、その典型例であるし、意見そのものが的を得ていないのも、致命的である。
ただこうした意見の中身以上に、もっと別なところで自分の意見が他人に受け入れられていない原因があるのではないだろうか。
ところで「意見を述べる」という行為自体が、もっとも際立つのは、「自己アピール」をする瞬間だろうか。ようは自分を売り込むのだから、少数意見でも理にかなっていればいいというわけにはいかない。過半数どころか、大半の人に自分を買ってもらうのが、「自己アピール」である。
その代表例が、個人が転職する際に臨む「面接」であろう。面接のNG理由を分析すれば、なぜ「自己アピールが失敗したのか」、そしてそれは「なぜあなたの意見は通らないのか」という問いに対して、一定の客観的な原因の傾向を示せるはずだ。
次のリストを見てほしい。これは実際に面接でNGになった人たちが自己アピールに失敗した具体例である。ここでは大きく二つ、多数意見と少数意見に分けて紹介している。多数意見に多いのは、「コミュニケーション」「論理性」「具体性」だろうか。少数意見には、「態度と姿勢」「身だしなみや癖」「人間性」であろうか。
面接のNG理由の一部を見ても、これだけのさまざまなバリエーションがある。自分の意見を相手に伝えるときには、これだけたくさんのポイントを配慮しなければならないというわけだ。簡単なことではないし、少なくとも付け焼刃では克服できそうもない。自分が意見を述べるときに、こうした具体的例をチェックリストにして、意識して悪い癖を直していくしか手立てはないのではないだろうか。
■ 面接のNG理由(多数意見)
◎主体性が無く、終始発言が受け身である
◎人の話の聞き方が悪く、コミュニケーション能力に問題を感じる
◎攻撃的で批判が目立ち、聞いていて良い気分がしない
◎自信過剰で、協調性に疑問がある
◎過去の自慢が多く、未来について語れず、これから成長しようという姿勢が見えない
◎会社依存型で、自分自身がリーダーシップを発揮しようとしない
◎話が抽象的で何が言いたいのかわかりづらい
◎仕事に対する情熱が不十分であり、入社したいという熱意も伝わらない
◎ホームページすら十分に見ておらず、明らかに企業研究が不足
◎志望理由が曖昧であり、自分の考えが整理できていない
◎具体的な実績を示せず、常に観念的な説明に終始している
◎頭は良さそうだが、評論家的で実行力に疑問
◎難しい状況を打開するタイプというより、与えられたことだけをきっちりとやるタイプ
◎話が長く、論点がまとまっていない
■ 面接のNG理由(少数意見)
◎汗臭いまま面接に来た
◎コートを着たまま、挨拶をした
◎座ったまま挨拶をした
◎タバコのにおいがきつい人だった
◎シャツの襟が黒ずんでいた
◎洋服の着方が、面接にそぐわない
◎肘をつきながら話をしていた
◎メガネや靴が目立って汚れている
◎ジェスチャーが大袈裟すぎる
◎面接官が話している時に舌打ちした
◎激しく貧乏ゆすりをしていた
◎スーツがよれよれで、清潔感がない
◎差し出した名刺が汚れていた
◎相手の目を見ず、伏し目がちであった
◎ペンを回しながら話をしていた
◎雰囲気が不健康なイメージだった
◎話し言葉に、英単語を使いすぎていた
◎スーツなのに白いくつ下を履いていた
◎部屋に案内される前に勝手に入室した
◎「とりあえず第一希望です」と言われた
◎携帯電話を首からぶら下げて面接を受けた
◎受付で待っている間の発言が不適切だった
◎挨拶をする際に、相手の目を見ていなかった
◎相づちを打つ時に「ウン」「ウン」と言われた
◎遅刻をしたのに、最後までお詫びの言葉が無かった
◎面接なのに、携帯がマナーモードに設定されていない
◎転職面接なのに「○○○○社の○○です」と自己紹介をした
◎「まぁご存知ではないと思いますが・・・」と言うのが口癖
(SOS総務連載より抜粋、加筆修正)
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